アトピー咳嗽
アトピー咳嗽の病態
アトピー咳嗽の病態とは、太い気道に炎症が生じて、咳の感受性が亢進している疾患(非喘息性好酸球性気道炎症)です。アレルギー素因をもっている中年女性に多く認めます。喘息とは異なり、気管支拡張薬が無効であり、気道にある咳受容体の感受性が高くなることによって生じます。慢性の喉のイガイガ感や咳払いが特徴です。
アトピー咳嗽の検査所見
通常、ゼーゼーした胸の音は認めません。咳自体は就寝時や深夜から早朝、起床時などに多く認め、タバコの煙や会話時、エアコンの風、精神的緊張などによって誘発されやすいのが特徴です。 喘息のように気道が敏感になっていることはありません。
アトピー咳嗽の治療
花粉症なのどの治療に用いる、抗ヒスタミン薬が有効な場合があります(有効率は約60%前後)。効果不十分な場合は吸入のステロイド薬を用います。重症例では経口のステロイド薬などを投与することもありますが、一般的ではありません。咳止めや気管支拡張剤、抗菌薬は無効です。
予後
この疾患は症状が治れば、治療を中断しても構いません(約半数は再燃しますが、、)。再燃した時は同様の治療で対応いたします。重症化、難治化は稀です。