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東京カンファ「COPD治療の進化」

[2020.08.01]

今日はCOPD(肺気腫)の内容で講演でした。約1時間の話です。東京近郊の呼吸器内科の医師を中心として開かれた講演会です。最近、COPDで話をさせて頂くことが多くなっています。

COPDは慢性閉塞性肺疾患、肺気腫とも称されることもあり、大半が喫煙由来の疾患です。労作時の呼吸困難や痰が絡む咳などが主症状です。本邦で約500万人程度の患者さんが存在すると推定されていますが、実際に治療されている患者さんは17万人程度です。高齢者に多い疾患で、自覚症状があっても年齢のせいと考え、見逃されていることが多い疾患です。病態としては肺の末梢の肺胞(ガス交換を行う場所)と言う部分が破壊されたり、気道に慢性の炎症が生じている疾患です。

COPDを似た症状を呈する疾患で気管支喘息があります。症状の違いで比較的わかりやすいのが、息切れがCOPDは労作で増悪、喘息は発作性(安静時も苦しい)である点です。ややこしいのが、COPDと喘息が合併している場合も多く認められ、頻度は15-30%程度にもなるとされています。

COPDに対する一般的な治療は禁煙(これが最も重要です)や気管支拡張剤、去痰剤、呼吸リハビリテーションなどとなります。

気管支喘息との合併例(喘息要素を含む場合も)やCOPDで症状の増悪を繰り返す症例では抗炎症薬(吸入ステロイド)を使用する場合もあります。すべてのCOPD症例に適応ではなく、症例を選んで使用する必要があると考えます。

今回の講演会ではCOPDと喘息合併例に対する吸入ステロイドを含んだ病態・治療に関する内容の話をしたのですが、なかなか単純に竹を割ったような内容で話を出来るものではありませんでした。皆さんの参考になったらいいなと思った次第です。

今年は春に講演会が少なかったので、これから秋に向けて立て続けに開催されます。ちょっと辛いですが、頑張ります。

 

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