RSウイルスワクチン
RSウイルスとは
RSウイルス感染は風邪症状から気管支炎・肺炎まで様々な病状を呈しますが、新生児・乳幼児では免疫機能が未熟のため重症化しやすくなります。またその時期のRSウイルス感染は気管支喘息発症のリスクが高まることが指摘されています。そのため、感染対策が重要となるのですが、RSウイルス自体は一般的なウイルスであり、なかなか防御が困難な感染症です。
アブリスボ(RSウイルスワクチン)
近年、妊婦にワクチンを接種することで乳幼児のRSウイルス感染を防御するワクチン(アブリスボ)が使用できるようになってきました。これは妊婦の胎盤を介して胎児に抗体を移行させることにより、乳幼児にRSウイルスに対する免疫をつける方法です。RSワクチンにより新生児・乳児の同ウイルスによる重症化・入院リスクを減少させます。同時にRSウイルス感染による入院歴がある小児は3歳、7歳、13歳における喘息発症率が高くなります。親が喘息の場合、遺伝的要素の関連もあり子供が喘息を発症する頻度は高くなります。妊婦さんが妊娠中にアブリスボを接種することにより新生児・乳児期のRSウイルス感染防御を行うと小児喘息発症の抑制が期待できます。
当院では気管支喘息(咳喘息)を持っている妊婦に対するアブリスボ接種を推奨しています。是非前向きにご検討ください。 妊娠喘息Blog
目的・対象
妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防
(妊娠24~36週が接種対象ですが、28~36週の妊婦さんが一番有効性が高いとされています)
60歳以上の者におけるRSウイルスによる感染症の予防
興味・質問がある方はご相談ください。
