妊娠喘息
最近の気管支喘息患者さんの増加に伴い、妊婦さんで喘息発症・増悪する方が増えてきました。
疫学的には妊娠12-20週頃に喘息状態の変化が認められることが多く、1/3は改善、1/3は不変、1/3は増悪してしまいます。綺麗に3つに分かれるのですが、はっきりとした原因は未だに不明です。
妊娠をしますと、どうしても薬を使用することが不安になると思いますが、喘息治療に関しては知っておいた方が良い点があります。喘息は呼吸が苦しくなる病気ですが、妊婦さんが喘息発作になり苦しくなるとお腹の赤ちゃんも苦しくなってしまいます。そのため、喘息治療をしっかり行った方が母子ともに望ましいことがわかっています。不十分な喘息治療となってしまうと周産期異常の頻度が上昇することが大規模な検討結果からも判明しています。もちろん、不要な薬剤を漫然と使う必要はありませんが、より安全でより有効な薬剤を使用することが重要です。
また、最近の検討結果では妊娠中にきちんと喘息治療したお母さんから生まれてきた子供は喘息になりにくいとの結果も出ています。
不安な点が多いとは思いますが、自己判断はできるだけ避けて相談してください。お願いいたします。