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咳過敏症症候群(CHS)

定義

咳過敏症候群(CHS:cough hypersensitivity syndrome)とは、「低レベルの温度刺激、機械的・化学的刺激を契機に生じる難治性の咳を呈する臨床症候群」を指します。原因不明あるいは治療抵抗性の咳嗽に共通する病態として咳過敏状態を煙や香水などの香り、会話や笑うことなどの微細な刺激により咳が出て止まらなくなる状態のことです。原因不明あるいは治療抵抗性の咳嗽に共通する病態として咳過敏状態も含みます。

特徴

特徴としては、数週間から数か月以上続く慢性の咳で煙や香水の吸入、気温変化などの環境変化、会話や笑うなどの行為に反応して咳が誘発され、「イガイガ」「かゆみ」「ムズムズ」「チクチク」など喉の違和感・異常な感覚(知覚過敏)を伴うことが多く認められます。

発症の仕組み(病態)

咳反射に関わる気道の知覚神経が過敏になるため、軽微な刺激で咳が誘発されます。

診断

「慢性咳嗽(8週間以上続く咳)」の原因精査をしても、明らかな疾患(喘息、胃食道逆流症、後鼻漏など)が説明できない場合・確実な診断の元に治療を行なっても十分な効果が得られない場合に考慮されます。

治療

生活指導としては刺激(タバコ、香料、粉塵、大声を出すなど)を避けたり、喉の乾燥を防ぐ(部屋の加湿やマスク着用、こまめな水分摂取など)ことが重要です。従来の咳止めでは効果が得にくいため、神経過敏を抑制する薬剤や気道過敏性の改善する薬剤に加え、新しい咳抑制薬(P2X3受容体拮抗薬)などを用いる場合もあります。もちろん原疾患がある場合はその治療を十分に行います。最近はスピーチセラピー(音声治療)の有用性が示されており、咽頭刺激を軽減するリハビリを行うことにより咳のコントロールする方法も行います。

スピーチテラピーとは

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